ラケットボールとは

About Racquetball

はじめに

 ラケットボールはアメリカで誕生し、世界各国で楽しまれているインドアラケットスポーツである。アメリカにおいてもまだまだマイナースポーツですが、年齢・性別を問わずに手軽にできること、さらにはファッション性が高く、短時間でシェイプアップ効果が得られるなど多くの魅力を兼ね備えた現代人にぴったりな都市型スポーツといえます。  私どもJPRFではさらなる底辺の拡大・普及を目指して多くのスタッフがボランティアとして活動しています。

ラケットボールの誕生

 ラケットボールの歴史は新しくテニスを母としてアメリカで生まれたものである。1850年英国においてスカッシュが誕生する。米国においてはウォールハンドボールコートを利用し木製のパドルを使ってボールを打ち合うパドルボールが誕生する。

※ウォールハンドボールは米国学校体育施設、YMCAの体育施設などで既に普及していた。ラケットボールが米国の刑務所で生まれたと勘違いされるのは、ウォールハンドボールが当時米国刑務所内でプレーされていたからである。

 1949年、スカッシュ及びバドミントンのプロプレーヤー、ジョー・ソベック氏がテニスやスカッシュよりも短い柄のラケットを用いてプレーするラケットボールを考案。これまでのパドルボールに代わって急激に普及した。  1969年にはセントルイスにおいて第1回全米ラケットボール選手権大会が開催された。1979年にはラケットボールが米国全土に広まり、プレーヤー人口1,400万人、コート数17,000、コートクラブ数1,100にまで広まる。プロツアーも盛んにおこなわれマスメディアにも取り上げられた。  米国におけるこのような事情は、日本の米国への旅行者、企業などの駐在員、留学生によって次第に日本国内へ伝えられるようになる。

日本への導入

 1979年以前は、日本ではラケットボールについてほとんど知られていない。  しかし、当時でも在日米軍基地のいくつかにコートは設置されていた。但し米国側から示された図面を基に日本人の大工が作ったもの(床と同じ木材で全ての壁が作られた非常に暗いコートであった)正式なコートは存在しなかった。  日本人用のコートも無かったわけではなく東京と神戸のYMCA体育施設にそれぞれ1面のコートが設置されており少人数ではあるが既に愛好者が存在した。  ラケットボールに関する情報が増加するに従ってこれを日本に本格導入しようとする動きがみられる様になる。大きなものは次の3つである。  第1は、かつて「日本ラケットボール協会」を名乗ったグループによるものである(現在の日本ラケットボール協会は1980年から1986年まで「日本アマチュアラケットボール協会」と称していた)。あるジャーナリストを中心としたグループで活動らしいものは認められず1980年には消滅。1979年12月NHKテレビ放送にて日本ラケットボール協会と称するグループがラケットボールのプレーを紹介したが、このグループによるものかは定かではない。  第2は、1980年に結成された「日本ラケットボール連盟」(現JPRFとは全く別のグループ)。連盟設立当初の役員は、理事長・細川護煕(元総理大臣)、理事・鳥井道夫(元サントリー副社長)、堤清二(元西武百貨店会長)、中内功(元ダイエー社長)、石川六郎(元鹿島建設社長)、梁瀬次郎(元ヤナセ社長)、水野健次郎(元美津濃社長)、盛田昭夫(元ソニー会長) 各氏そうそうたる顔ぶれであった。このグループはクラブ事業を急速に広めようとした意図が見られ、PR、普及のための出版物なども発行していた。当時の資料では役員の任期は1年。その後改選もおこなわれなかったため、本体は1年で自然消滅。後継的グループの活動も数年のうちに途絶えてしまった。  第3は、日新製糖が直営するドゥ・スポーツプラザを中心とするグループである。当時新しいスポーツ種目導入を進めていた同クラブは1980年11月ドゥ・スポーツプラザ晴海内に組み立て型(パネル式)公式ラケットボールコート1面が増設される。これが日本における輸入コート第一号である(既に閉鎖)。また、同時に日本アマチュアラケットボール協会(現日本ラケットボール協会)を設立し規約の整備、ルールブックの作成、体裁の整備、活動費用の捻出に奔走する。1980年12月協会設立からわずか20日後に新設されたコートにおいて第一回全日本ラケットボール選手権大会を開催する。男性のみ24名の参加であった。  わずか24名の大会から8年後620名が参加する大会を開催するに至るも、前述のとおり、バブル経済崩壊後は民間コートの閉鎖等により普及活動も困窮する。

世界における日本の競技レベル

 世界的には日本のラケットボールプレーヤーは非常に高い評価を受けています。  2000年にメキシコで開催された世界選手権では男女総合4位の成績を残しそのレベルの高さを実証しています。さらに個人戦においても男女ともに世界選手権銅メダルを獲得しており世界の注目を集めています。  また、近年プロツアーに参戦する日本人プレーヤーの活躍も本場米国本土においても認知され、アジアで唯一の日本人男子プロプレーヤーがプロシングルスランキング12位という快挙を達成。45歳を超えてもなお現役レジェンドプレーヤーとして活躍しています。  女子プロツアーにおいても日本人女子プロプレーヤーが「2011‐12 Sportsmanship Award」を日本人として初受賞するなど、プレーヤー個々の活躍も高く評価されています。

ラケットボールのコート

コート(右下図)は高さ6.1m、幅6.1m、奥行12.2m。壁、床、天井に囲まれた空間の中で壁に向かって相手とボールを打ち合うスポーツです。 コート内のラインは床に横3本、縦4本のみ(図の赤線)。全てサーブ&レシーブ時に基準となるラインです。ラリー中はラインによる制限はありません。これが初心者の方でも手軽にゲームを楽しめる理由のひとつに挙げられます。 ルールも非常にシンプルです。

ラケットボールのルール

  1. ①サーバーが正面の壁に向けて打ったサーブを、②レシーバーが打ち返しラリーをおこないます。
  2. 打った打球は床にバウンドさせずに必ず正面の壁まで返球します。ラリーの場合は床以外の壁や天井どこに当てても構いません。
  3. 相手が打って正面の壁に当たり跳ね返ってきたボールは、ノーバウンドもしくはワンバウンド(バウンド=床)で打ち返します。この時も正面の壁から跳ね返ったボールが床以外の壁や天井に当たりますが、これはバウンドとして数えません。 床以外の壁(高・低、角度)相手のポジション(コース)を計算しながら打ち合います。
  4. 自分の打った打球が正面の壁に当たった後、相手の返球までの間に床にツーバウンドする。あるいは相手の返球が正面の壁に届く前に床に触れるとラリーに勝ちます。この時、サーバーであればポイントを獲得し、レシーバーであればサーブ権を獲得します。一度獲得したサーブ権はラリーに負けるまで権利が続きます。
  5. 1ゲームは15ポイントもしくは11ポイントで、競技は3セットまたは5セットで勝敗を競います。1対1のシングルス、2対2のダブルスと1対1対1のカットスロートというゲーム形式があります。

ラケットボールの魅力

誰にでも扱いやすい用具と自由なファッション

 ラケットの長さは22インチ(約55.88センチ)以内。重さは150g~200g程度。テニスラケットの柄の部分が無く非常にコンパクトな形状のため初心者でもボールをミートしやすく、女性や子供、高齢者にも扱いやすい。  ボールは直径約6センチ。ゴム製で非常によく弾みます。無理に動かなくてもボールが自分のもとへ戻ってくるのを待って打つことができるため初心者や高齢者でもラリーを楽しむことができます。  ウェアには特に制限はなく季節や流行に応じてファッショナブルで個性的な着こなしで楽しむことができます。

※プレー中は目を保護するための保護用メガネの着用が義務付けられていますが、これもファッションの一部として様々なタイプのスポーツグラスを使用できます。

《時間当たりの消費カロリー》
ゴルフ 200 kcal
テニス 400 kcal
ラケットボール 800 kcal

短時間でカロリー消費

 時間当たりの運動量・消費カロリーはずば抜けて多く、20分程度のプレーでも十分な運動量となります。日頃から運動不足のビジネスマン(米国では仕事前やランチタイムにプレーするビジネスマンが多くいます)やウェイトコントロールに悩む人々にとっては格好のゲームスポーツです。

天候・時間に左右されない

 室内スポーツですので天候や時間を気にせずプレーできます。雨天、降雪によってゴルフやテニスなどの屋外スポーツができなくてもプレーを楽しめます。また昨今ヒートアイランド現象に見舞われる酷暑の夏でも、冷暖房完備のコートで思い切り汗を流すことができます。

男女、年齢の差がない

 体力の差があっても、男女の違いや世代を超えて同じレベルでゲームを楽しめます。速くて強いボールが打てなくても壁に当たる角度や相手の立ち位置などを考えながらボールをコントロールすれば、簡単に相手を負かすことができるからです。ラケットボールでは年配の女性がいとも簡単に若い男性を打ち負かすシーンがよくみられます。

ストレス解消

 ボールのスピードは初心者で70km/h、上級者では300km/hにもなります。驚くようなスピードとボールを打った時の強烈な打球音の迫力もラケットボールの魅力のひとつです。壁・天井全てを自由に使ってボールを叩く爽快感は現代人のストレス解消に最適なスポーツです。

面白さ

 誰もが始めたその日からゲームを楽しめるほど簡単ですが、慣れてくるに従ってその奥深さによって皆を無邪気にさせます。スピード、角度、方向によって色々な球筋を生み出す様はまさに立体ビリヤード。運動能力と共に頭脳プレーも要求される非常に奥深いスポーツです。