世界選手権 2018 レポートVol.3 (中野優樹選手)
レポート:
中野優樹選手
福岡の中野優樹です。
私にとっては2 回目の世界選手権です。今回はダブルスで出場させていただきました。パートナーはニッポンのレジェンド、清水弘史選手です。対する私はまだまだ未熟者ですが、未熟者の視点で私自身が感じたことをお伝えしたいと思います。
長くなるので大会5日目の決勝トーナメントの感想からお伝えします。
【決勝トーナメント】
1回戦は地元コスタリカです。今大会、コスタリカの選手の試合は全て観客席の多いメインコートで行われました。この試合もメインコート、応援は日本チームのメンバー以外はほとんどコスタリカの方々で、完全アウェイの中行われました。
コスタリカの選手はどちらも若い選手で、荒さはありますが球の速さは日本では経験できないスピードで、タイミングを合わせるのが大変でしたが、徐々に慣れてきて互角のラリーで試合は進みました。
1ゲームずつを取り合ってタイブレークの序盤、不運な失点が連続し、大きくリードされましたが、集中を切らすことなく踏ん張り、 最後は15-11、12-15、11-9 で激戦を制しました。
日本チームのメンバーは試合中ずっと大きな声援を送ってくれて、とても力になりました。
また、地元コスタリカの応援はものすごく、ポイントを取るとドーンと大きな歓声が上がっていました。私自身こんなにたくさんの人に観戦され、声援を送られる試合は初めての経験で、アウェイとは言え、自分たちのプレーで会場が盛り上がることにプレイヤーとして幸せを感じ、最高に楽しめました。
コスタリカに勝利して1～2 時間ほどで、息つく間もなくトーナメントの次の試合、ボリビアを相手にベスト4 をかけて戦います。ボリビアのバック側の選手は前回大会シングルス3 位、今大会のシングルスも3 位、ボリビアの英雄モスコッソ選手です。フォア側のローランド・ケラー選手はおそらく今大会中最も速い球を打つイケメン選手で、床から20 センチほどの高さに当たったドライブサーブがロングサーブになるくらい伸びのある強烈な球です。ゲームはケラー選手のこの強烈なドライブサーブとモスコッソ選手の正確なショットの前に、なす術なく敗れました。私としては、前の試合の精神的な疲れもあり、集中しきれなかったことが残念です。
【結果・感想】
結果はベスト8 でした。
密かに目標にしていたベスト4 には届きませんでしたが、私たちのプレーが十分に通用するという確かな手応えを感じられました。前回出場した時にははるか遠くの存在に感じていた各国の代表選手たちも、手の届く範囲にいると感じられました。
同時に、トップ選手との大きな差も感じることができました。球の速さやフィジカルの強さなど、彼らの身体能力はすばらしいものですが、それだけではなくショットやサーブの正確さや体の使い方においても大きな差を感じました。私たち日本の選手はフィジカルの面ではどうしても遅れを取ってしまう部分はありますが、チャンスボールを確実に決める技術や止まって打つことができるサーブの精度など、まだまだ伸ばすべき部分は多くあると感じました。長年世界を相手にしてきた清水選手や河野選手は、やはりショットの正確さにおいても高いレベルでプレーされているからこそ、世界と互角に戦ってきたのだと気付かされました。
今回は私自身2 回目の世界選手権ということもあり、少し冷静に大会を楽しみ、自分なりに整理することができました。この貴重な体験を私だけのもので終わらせず、感じたことなどを少しでも皆様にお伝えできたらいいなと考えていますので、機会がありましたらどんどんお声かけください。
また、言葉だけでなくプレーでも、得られた成果をお見せしたいと思いますので、大会などで見かけられましたら、ぜひご声援をよろしくお願いします。
最後になりましたが、事前調整や準備、大会期間中も日本からサポートしていただきましたJPRF のスタッフの皆様、お忙しい中私たち選手のためにたくさんの時間と労力を割いてくださりありがとうございました。また、日頃からサポートしてくださっているPK ウエスト様、今大会に向けて色々な形で応援してくださったラケットボール愛好者の皆様、いつも練習・応援してくださっているリョーユースポーツプラザの皆様、本当にありがとうございました。
そして、パートナーの清水選手をはじめ、日本チームの皆さんは最高の仲間でした。皆さんのおかげで、忘れられない得難い経験ができました。ありがとうございました。
個人成績
水弘史・中野優樹 ベスト8
本選 vs Conrrado Moscoso / Roland Keller (BOL) 4-15,8-15
vs Gabriel Garcia / Alexnder Pirie (CRC) 15-11,12-15,11-9
予選 vs Daniel De La Rosa / Alvaro Beltran (MEX) 3-15,6-15
vs Edwin Galicia / Christian Wer (GUA) 12-15,15-11,4-11
vs Thirumurugan Thyagarajan / Alok Metha (IND) 15-7,15-0